夏の風物詩といえば、全国各地で開催される様々なお祭りやイベントです。熱気あふれる迫力満点のものから、華やかで格式高い伝統行事、夜空を彩る壮大な花火大会まで、その魅力は様々。
そこで今回は、7月から8月にかけて日本各地で開催されるオススメのお祭り・イベントを厳選してご紹介します。いずれも、その地域の歴史や文化に根ざしたもので、見どころ満載です。
古くから受け継がれてきた伝統の舞や勇ましい掛け声が街中に響きわたり、肌で感じる熱気と感動は格別。忘れられない夏の思い出をつくりに、日本各地のお祭りへ出かけてみませんか?
目次
■ 【7月開催】おすすめのお祭り・イベント
└ 塩竈みなと祭(宮城県)
└ 隅田川花火大会(東京都)
└ ふくろい遠州の花火(静岡県)
└ 伊勢神宮奉納全国花火大会(三重県)
└ 祇園祭(京都府)
└ 天神祭(大阪府)
■ 【8月開催】おすすめのお祭り・イベント
└ 青森ねぶた祭(青森県)
└ 秋田竿燈まつり(秋田県)
└ 全国花火競技大会「大曲の花火」(秋田県)
└ 山形花笠まつり(山形県)
└ 仙台七夕まつり(宮城県)
└ 長岡まつり大花火大会(新潟県)
└ 京都五山送り火(京都府)
└ 奈良大文字送り火(奈良県)
└ 高知よさこい祭り(高知県)
└ 阿波おどり(徳島県)
■ まとめ
日本三大船祭りの一つ「塩竈みなと祭」は、毎年7月に開催される宮城県塩竈市最大のイベント。志波彦神社と鹽竈神社の神輿を船に乗せて巡航する“神輿海上渡御”が最大の見どころです。
豪華に飾られた御座船「龍鳳丸」「鳳凰丸」を先頭に、約100隻もの供奉船が松島湾を巡る光景はまさに壮観!美しい島々と大海原を背景に展開される勇壮華麗な祭りでは、神々とのつながりさえも感じるほどです。
ほかにも、約8,000発の花火が夜空を彩る前夜祭や、海上渡御前後に2基の神輿を担いで石段を移動する“神輿渡御”、約3,000人の市民による“よしこの鹽竈パレード”といったイベントもオススメです。
東京の夏の風物詩「隅田川花火大会」は、毎年7月の最終土曜日に開催されています。その歴史はとても古く、隅田川の川開きの際に打ち上げられた花火が起源とされています。花火といえばの掛け声“たーまやー”“かーぎやー”などは、当時花火の打ち上げを担当した玉屋と鍵屋が由来だそう。
第一会場で約9,350発、第二会場で約10,650発、合計約2万発の花火が東京の夜空に打ちあがります。会場ごとに異なる趣向の花火が楽しめるほか、見る場所や角度によっても印象が変わり、来場者を飽きさせません。
打ち上げ会場付近で見るのも良いですが、少し遠目から東京スカイツリーと一緒に眺めるのがオススメ!都会のビル群の中に打ち上がる色とりどりの大輪の花は圧巻の一言です。
静岡県袋井市で25年以上続く「ふくろい遠州の花火」は、打ち上げ数が国内でもトップクラスに入るほどの大規模な花火大会です。全国各地から集まった花火職人たちが腕を競い合う大会でもあり、毎年異なるテーマに沿ってそれぞれ創意工夫と高度な技術を駆使した、ハイクオリティな作品を見ることができます。
音楽に合わせて打ち上げられる華麗な演出も見どころの一つ!懐かしの名曲から最新のヒット曲に至るまで、幅広いジャンルの曲に合わせて絶妙なタイミングで披露される花火には、鳥肌が立つほど感動します。
また、有料エリア周辺には多くの露店が出店されるため、家族連れやカップル、グループにもオススメ!名物グルメを食べながら花火を楽しむのも、夏祭りの醍醐味です。
「伊勢神宮奉納全国花火大会」は、神宮に花火を奉納する唯一無二の大会。全国でも比較的早い時期に開催されることから、花火師にとっても、その年の安全祈願の場となっています。
打上花火の部、スターマインの部の二部構成で、花火師たちの魂がこもった作品が伊勢の夜空を彩ります。“割物”と呼ばれる打上花火の一発一発すべてが違った表情を見せてくれ、連続花火ともいわれる“スターマイン”が辺り一帯に咲き乱れ、大輪の花が川面に映える光景は息をのむほどの美しさ。
有料席含め、無料エリアにも沢山の露店が出店するため、花火グルメを食べ歩きながら楽しむのもオススメです。
“コンチキチン”の祇園囃子の音色とともに、夏の京都を華やかに彩る「祇園祭」は、八坂神社の祭礼として知られる歴史あるお祭り。7月1日の“吉符入”に始まり、31日の“疫神社夏越祭”まで、一ヶ月にわたって多彩な祭事が行われ、京都の夏の風物詩となっています。
なかでも、17日と24日に行われる“神輿渡御”と、前祭と後祭合わせて34基にもなる“山鉾巡行”は祭のハイライト!ユネスコ無形文化遺産にも登録されており、“動く美術館”とも称される巡行は必見です。
また、昼間の景色とはガラッと変わって提灯の灯りに照らされた山鉾が立ち並び、幻想的な空間を演出してくれる「宵山」もオススメ!祭りの“夜の風情”をたっぷりと楽しむことができます。
日本各地の天満宮(天神社)で催される「天神祭」ですが、その中でも大阪天満宮の祭礼は日本三大祭りの一つとして知られ、約1,000年もの歴史をもつ由緒あるお祭りです。
毎年6月下旬から7月25日までの約一ヶ月間にわたり諸行事が行われ、24日の“宵宮祭”と最終日25日の“本宮祭”には国内外から多くの観光客が訪れ賑わいを見せます。本宮の夜には、多くの船が行きかう“船渡御”と奉納花火が打ち上げられ、祭り最大のクライマックスを迎えます。
他にも、華やかな衣装を身にまとった女性たちによる“ギャルみこし”や、約3,000人の大名行列“陸渡御”など見どころ満載です!
国の重要無形民俗文化財に指定されている「青森ねぶた祭」。秋田竿燈まつり、仙台七夕まつりと合わせて東北三大祭りに数えられる、東北の夏を代表するお祭りの一つです。毎年8月2日~7日に開催され、期間中は約300万人近くの観光客が訪れ、町全体が活気に満ち溢れます。
ねぶた祭りの特徴といえば、「人形ねぶた」と呼ばれる大型のねぶたと、踊り子たちが練り歩く壮大で迫力ある一大イベント「跳人」。「ラッセラー、ラッセラー」という掛け声で観衆の前を跳ねながら、祭りを盛り上げてくれます。
最終日の7日には、ねぶたの海上運行と約10,000発の花火で祭りのフィナーレを迎えます。夜の暗闇に浮かぶねぶたは鮮やかで、その幻想的な様子は見た人に感動を与えてくれること間違いなしです。
東北三大祭りの一つに数えられる「秋田竿燈まつり」。高さ最大約12m、重さ50kgにも及ぶ竿燈を手のひらや腰に乗せ操る匠の技は、見ごたえ抜群!大・中・小・幼、4つの竿燈があり、それぞれ高さ・重さ・提灯の数が違います。
大きさや重さが大きくなるにつれ操るのが難しく、絶妙なバランスを保ちながら操る差し手の神業が祭り一番の見どころ。竿燈が風に揺られ大きくしなる様子は、手に汗握るほどの迫力です。
迫力満点の大若はもちろんのこと、大人に混じり幼若・小若を操る若手差し手の頑張りも見どころの一つ!成長と共に操れる竿燈の種類が変わっていくのを見守るのも、このお祭り特有の魅力です。
日本三大花火大会の一つで、日本一とも称される「大曲の花火」は、世界に誇れる日本の夏の風物詩です。春・夏・秋と季節ごとに楽しめますが、特に夏に行われる「全国花火競技大会」は、全国から選りすぐりの花火師が集い、プライドと情熱を込めた最高峰の技術を競い合う、迫力満点の技術大会としても人気を集めています。
昼花火と夜花火の二部構成で、明るい時間帯から始まる昼花火が見られるのは、本大会だけの特徴でもあります。さらに、夜の部では約18,000発の花火が打ち上げられ、訪れる人たちを魅了します。
創造花火、10号玉(芯入割物・自由玉)など各部門ごとに競い合い、特に創造花火の部では花火師たちの自由な発想で作り上げられた芸術的な演出を見ることができます。ほかにも、広い河川敷を活かしたワイドスターマインはこれぞ日本一!と言えるほど豪華で美しく、一生の思い出になること間違いなしです。
毎年8月5日から7日までの3日間、山形市で開催される「山形花笠まつり」。“ヤッショ、マカショ”の掛け声と共に、約1万人の踊り手たちが花笠を手に踊り歩く壮大で華麗なお祭りです。
世代を超えて参加できる親しみやすさも魅力で、観客も飛び入り参加できるとか!専用エリアが設けられるので、初めてでも安心して参加できます。夏の山形を彩る華やかで躍動感あふれる踊りに参加して、ひと夏の思い出を作ってみるのもいいですね。
伊達政宗公の時代から続く伝統行事として今も受け継がれる「仙台七夕まつり」。日本古来の星まつりの優雅さと豪華絢爛な笹飾りが最大の見どころで、東北の夏の風物詩として名を馳せています。
七夕飾りの規模は日本一ともいわれ、色とりどりの飾りが商店街のアーケードを埋め尽くすその光景は、どこから見ても綺麗です。また、仙台七夕まつりにかかせないのが、短冊・紙衣・折鶴など“七つ飾り”と呼ばれる7種類の小物たち。それぞれ、商売繁盛や無病息災など様々な願いが込められています。どこかに飾られているので、探しながら祭りを楽しむのもオススメ!
期間中はライトアップイベントも行われ、前夜祭では花火も打ち上げられます。仙台の夜を幻想的な灯りで埋め尽くし、昼間とは違った雰囲気で楽しませてくれます。
「長岡まつり大花火大会」は、日本三大花火大会の一つとして知られ、戦災の慰霊と復興への願いを込めて、約2万発の花火(2日間の合計)が夜空に打ち上げられる日本有数のイベントです。
長岡花火の代名詞ともいえる“正三尺玉”では約650mにも及ぶ大輪の花が夜空一帯に咲き誇り、息をのむほどの美しさ。連続する超大型スターマインなど様々な種類の花火が上がり、他に類を見ないほど壮観!世界一とも称される作品を一目見ようと、例年沢山の観光客が訪れます。
そのほか、復興への願いを込めて、Jupiterにのせて約3分間繰り広げられる大型花火ショー“復興祈願花火フェニックス”の圧倒的な演出は、見る人に感動を与えてくれます。
毎年8月16日に夏の京都の夜空を黄金色に照らす「京都五山送り火」。京都市を丸っと囲んでいる山々に、次々と浮かび上がる炎の文字は幻想的です。お盆を締めくくる伝統行事で、お精霊(しょらい)さんと呼ばれる死者の霊が迷わず冥界へと帰れるように送り届けるためのもの。
5文字すべてを見れるスポットや3文字、1文字ずつ見るのに適した場所など様々ありますので、ご希望にあう観覧スポットを事前にチェックしておくと安心!初めて行かれる方は、全国的にも有名な東山の「大文字」がオススメです。
京都の送り火に先立って奈良県で行われるのが「奈良大文字送り火」。戦争で亡くなった方々の慰霊と世界平和を祈る行事として、昭和35年から毎年終戦記念日の8月15日に行われている夏の行事です。
春日大社境内の飛火野では、春日大社の神職による神式慰霊祭が行われ、続いて県下の寺院の僧侶による仏式慰霊祭が執り行われるという、全国的にも珍しい“宗教・宗派をこえて平和を祈る”という形が確立されています。
高円山が見える場所であればどこからでも観覧できますが、興福寺の五重塔や平城宮跡の朱雀門と一緒に映るように眺めるのもオススメです!
「高知よさこい祭り」は、毎年8月9日からの4日間、高知市中心部で行われる活気に満ちた踊りの祭典です。鳴子を手にした約18,000人の踊り子たちが、毎年異なるテーマの衣装やオリジナル曲を使った演舞を披露してくれます。
封鎖した道路や商店街を踊りながら練り歩く“ストリート演舞”と、広い舞台上で繰り広げられる熱気に満ちたパフォーマンスが楽しめる“ステージ演舞”の2パターンがあります。前夜祭のステージで演舞ができるのは、前年の祭りで受賞したチームのみ!毎年クオリティが高い演舞を観覧することができます。
それぞれのチームの特色が色濃く表れていて、観客を飽きさせない多様なスタイルで訪れる人を楽しませてくれます。
“踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々”のフレーズでお馴染みの、徳島県を代表するお祭り「阿波おどり」。例年100万人前後の来場者を誇り、400年以上の歴史を持つ伝統行事で、市内各所の演舞場では、連と呼ばれる踊り子たちが独特のリズムと踊りで観客を魅了します。
2025年度から祭り全体の総称を“THE AWAODORI”に変更し、従来の屋外演舞場はもちろんのこと、よりハイクオリティな舞台へとリニューアル!更なる熱気に満ち溢れた徳島の伝統芸能に触れてみてはいかがでしょうか。
日本古来の伝統芸能や夜空を彩る美しい花火など、日本の夏を盛り上げてくれるお祭り・イベントが目白押し!夏の暑さにも負けないほどの熱気と活気に溢れた光景は、一生の思い出として心に刻まれるはずです。
各地に伝わる伝統的なお祭りは、それぞれが独自の歴史と魅力を持ち、日本文化の奥深さを肌で感じさせてくれます。浴衣を着て、地元グルメを味わいながら大切な人と過ごす夏のひと時は、この上なく格別なものになりそうですね。
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タビックスナビ編集部