
秋の夜を幻想的に彩る紅葉ライトアップ。昼間の太陽の光に照らされた紅葉とは異なり、夜の木々は照明に浮かび上がり、水面に映るリフレクションや光と影のコントラストが美しさを際立たせます。
関西には、人気の京都をはじめ、紅葉ライトアップの名所が数多くあります。本記事では「いつ」「どこで」「どう楽しむか」を知りたい方へ向けて、京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀のおすすめ紅葉ライトアップスポットを徹底解説!
開催時期やアクセス方法、夜ならではの観賞・撮影のコツ、防寒対策まで丁寧にご紹介します。秋の夜長に、大切な人と幻想的な紅葉を見に出かけてみませんか?
▼ 旅っくすでは、関西の紅葉を楽しむ各地発の添乗員同行ツアーや、自由なJR新幹線+ホテルパックプランを多数販売中 ▼
目次
■ 1. 関西の紅葉ライトアップの魅力と基本知識
■ 2. 【京都府】紅葉ライトアップのおすすめスポット
└2-1. 永観堂(禅林寺)
└2-2. 宝泉院
└2-3. 北野天満宮
└2-4. 醍醐寺
└2-5. 金戒光明寺
└2-6. 知恩院
■ 3. 【大阪府・兵庫県・奈良県】紅葉ライトアップのおすすめスポット
└3-1. 勝尾寺
└3-2. 神戸市立森林植物園
└3-3. 吉野山
■ 4. 【滋賀県】紅葉ライトアップのおすすめスポット
└4-1. 教林坊
└4-2. 石山寺
└4-3. 比叡山
■ 5. 比較で見る:昼の紅葉・夜のライトアップ
■ 6. 訪問前にチェックしたいポイント(持ち物・服装・交通・混雑対策)
■ 7. 【まとめ】夜の紅葉ライトアップをたっぷり楽しむために
秋が深まる関西では、11月上旬~12月中旬頃にかけて夜の紅葉ライトアップが開催され、幻想的な景色を楽しめます。ここでは、夜ならではの紅葉の魅力や見頃、観賞のポイントなどを解説します。
昼の紅葉が太陽光で自然の彩りを楽しむものであるのに対し、夜の紅葉は照明の演出によって幻想的な雰囲気を醸し出します。ライトアップされた紅葉は、光と影のコントラストが美しさを際立たせ、庭園の池などの水面に映り込む幻想的な世界を楽しむことができます。
また、周囲が暗くなることで余計な背景や建物が見えにくくなり、紅葉そのものに注目できるのも夜ならではの魅力。寺社の建築物や庭園の構造もライトアップで浮かび上がり、昼間とは一味違った情景を生み出します。
関西の紅葉ライトアップは、例年11月中旬から12月上旬にかけて実施されることが多いのが特徴。
京都市内の有名なお寺・神社では、11月中旬から11月末頃に色づきのピークを迎え、最も観光客で混雑する時期でもあります。
大阪や兵庫など平地のスポットは京都より見頃がやや遅めで、11月下旬〜12月初旬にかけてベストシーズンを迎えます。一方、奈良や滋賀の高地エリアでは紅葉の進行が比較的早く、11月上旬にピークを迎える場合もあります。
気温や天候により見頃が前後することがあるので、公式サイトや最新の紅葉情報を事前にチェックしておくことが大切です。
夜の紅葉ライトアップを撮影・観賞する際には、いくつかのポイントを押さえておくと、より満足度の高い体験ができます。
まず、防寒対策はしっかりと行いましょう。特に山間部や河川沿いでは夜の気温が一気に下がるため、手袋やマフラー、温かい飲み物、カイロなどがあると安心です。
本格的な撮影においては、三脚やリモートシャッターなどを使用するのも良いでしょう。ただし、観光客が多い場所など、三脚の使用が禁止されていることがあるため、事前の確認は必須です。また、強い照明が被写体に直接当たるとフレアが発生するため、撮影角度を工夫するのもポイントです。人混みを避けるため、平日の夜や閉門直前を狙うと静かに楽しむことができますよ。
関西を代表する紅葉名所が数多く集まる古都・京都。世界遺産をはじめとする歴史ある寺社や庭園では、秋の夜を幻想的に彩るライトアップが行われ、多くの人々を魅了します。

京都を代表する紅葉の名所・永観堂(禅林寺)。古今和歌集にも登場するほどで、古くから“もみじの永観堂”といわれてきました。例年11月中旬から12月上旬にかけて、夜間ライトアップを実施。放生池を囲むモミジが暖かい光に照らされ、池の水面に映り込む様子がなんとも幻想的です。
境内には複数の庭園があり、それぞれ異なる光の演出が楽しめるのも魅力の一つ。池泉回遊式庭園や多宝塔など、境内を彩る約3,000本の真っ赤なモミジを観賞することができます。また同時期には、永観堂所蔵の国宝や重要文化財といった貴重な寺宝を見ることができる「秋の寺宝展」も開催されます。

京都市左京区の北東部・大原にある宝泉院。勝林院の塔頭で、比較的落ち着いて紅葉観賞を楽しめる穴場のスポットです。紅葉シーズンの夜間には「秋の夜灯り」としてライトアップを実施。特に有名なのが、額縁庭園と呼ばれる盤桓園で、柱と柱の空間を額に見たてた紅葉の景色は、まるで絵画の世界に迷い込んだかのような荘厳さを醸し出します。
また、竹林と紅葉のコントラストも美しく、静寂な環境でゆっくりと紅葉を観賞できるのが魅力です。アクセスには多少時間がかかるため、時間に余裕を持って訪問することをおすすめします。

学問の神様・菅原道真公を主祭神として祀る北野天満宮。境内西側に広がる御土居では、約350本の紅葉を楽しめる名所「もみじ苑」が、例年11月上旬から12月初旬まで開苑されています。日没から20時頃までライトアップも行われており、脇を流れる紙屋川の水面に映る紅葉が趣ある雰囲気を演出してくれます。
川に沿って続く遊歩道や、朱塗りの太鼓橋・鶯橋から望む紅葉の景色は、昼とはまったく異なる幻想的な雰囲気に包まれ、写真映えすること間違いなし。苑内にはお茶やお菓子をいただける休憩所もあり、散策の合間にゆっくりと過ごすことが可能です。また市街地からのアクセスもよく、他の観光スポットとの組み合わせにも便利な場所となっています。

「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている醍醐寺。豊臣秀吉ゆかりの桜名所として有名ですが、秋にも見事な紅葉を楽しむことができます。夜間ライトアップでは、朱塗りの弁天堂がモミジと共に水面に映し出され、幻想的なひとときを演出します。また、国宝の金堂や唐門のライトアップにも注目です。

京都の街を一望できる高台に位置しており、“くろ谷さん”の愛称で親しまれている金戒光明寺。“秋は夕暮れ”の名所としても知られており、日没前には周辺の山々などが夕焼けに染まった景色が広がります。そして夕刻になると、御影堂や山門・鐘楼、参道など、境内のライトアップがスタート。水面に映る逆さ紅葉が美しい枯山水庭園・紫雲の庭も必見です。

浄土宗の総本山・知恩院では、京友禅の祖・宮崎友禅斎ゆかりの庭園「友禅苑」や、日本最大級の木造二重門「三門」、除夜の鐘で有名な「大鐘楼」などがライトアップされ、歴史的建築物と紅葉の共演が見どころです。ほかにも、国宝「御影堂」で開催されるお坊さんのお話や木魚念仏体験、ライトアップ全エリアを僧侶と一緒に巡る特別ツアー(要事前予約・別途有料)などイベントも充実!六字名号にかけた6本のサーチライトや、ライトアップ限定ご朱印も見逃せません。
京都以外の関西エリアにも、夜の紅葉ライトアップを楽しめる魅力的なスポットが豊富に存在しています。各府県ごとに厳選してご紹介します。
勝尾寺 紅葉ライトアップ(イメージ)
大阪府北部の箕面エリアは、大阪市内からのアクセスも良く、自然豊かな紅葉スポットとして人気を集めています。“勝ち運の寺”として知られる勝尾寺では、例年11月中旬〜12月上旬にかけて紅葉の見頃を迎え、約8万坪の広大な境内が鮮やかな赤や黄に彩られます。背景に広がる山々との華やかなコントラストは、まるで一枚の絵画のよう。
そして、境内で特に人気なのが本堂や多宝堂に向かう参道で、まるで紅葉のトンネルを歩いているかのような気分を味わえます。
また、同じ箕面エリアの箕面大滝も、大阪を代表する紅葉スポットとして有名。紅葉と滝の音が相まって心癒される風景が楽しめます。滝道では箕面名物「もみじの天ぷら」も販売されており、食べ歩きをしながら散策を楽しむのもオススメです。
神戸市立森林植物園 昼の紅葉(イメージ)
神戸市内にも、自然と紅葉を一緒に楽しめるライトアップスポットが点在しています。紅葉シーズンの「神戸市立森林植物園」では、イロハモミジやオオモミジなど、38種・約3,000本の秋色に染まった樹木を目にすることができます。例年11月上旬から12月上旬の土日祝を中心に、紅葉のライトアップも実施。夜の植物園ならではの神秘的な雰囲気を楽しむことができます。
吉野山 昼の紅葉(イメージ)
日本有数の桜と紅葉の名所として知られる奈良県の吉野山では、標高差を活かした色づきのグラデーションが楽しめます。例年10月下旬から11月下旬にかけて段階的に紅葉の見頃を迎え、一部エリアでは夜のライトアップも実施されます。
歴史ある寺社が点在するエリアでは、紅葉と建造物がライトアップの光で照らし出され、幻想的な夜の景観を演出します。アクセスには時間がかかるものの、訪れる価値のある絶景が広がっています。夜間は気温が下がるため、防寒対策をしっかり行いましょう。
京都や大阪に比べると観光客の数が落ち着いている滋賀エリアにも、隠れた紅葉ライトアップの名所が点在しています。ここでは、静かに楽しめる穴場スポットをご紹介します。
教林坊 紅葉ライトアップ(イメージ)
近江八幡市にある教林坊は、知る人ぞ知る紅葉ライトアップの名所。境内には美しい庭園が広がっており、春と紅葉の時期だけ一般公開されています。
ライトアップ期間中は、苔むした庭園や約300本の紅葉が幻想的に照らされ、竹林と紅葉が織りなす静寂な空間が広がります。市街地から少し離れた場所にあるため、喧騒を避けて落ち着いた紅葉観賞をしたい人にもぴったり。また、カメラ愛好家からの人気も高まっている場所です。
石山寺 紅葉ライトアップ(イメージ)
紫式部ゆかりの地・石山寺は、琵琶湖近くの大津市に位置する由緒ある寺院で、紅葉シーズンには夜間ライトアップが実施されます。11月中旬から下旬にかけて見頃となる境内では、国宝の本堂や多宝塔を照らす光と紅葉が相まって、歴史的な風情を一層引き立てます。なお、石山寺の秋を彩る約1,000本の紅葉の殆どはイロハモミジ。葉が小さく繊細であるのが特徴で、鮮やかな色の紅葉が魅力です。
石山寺は最寄り駅から徒歩10分ほどと、アクセスも良好。関西エリアに在住の場合は日帰りで訪れるのにも適しています。寺社仏閣好きには特にオススメしたい紅葉名所です。
比叡山ドライブウェイ 夢見が丘展望台 紅葉(イメージ)
滋賀と京都の県境に位置する比叡山では、秋になると「比叡のもみじ」と題した紅葉祭りが横川地域で開催されます。また、比叡山ドライブウェイを通るルート沿いには紅葉スポットが多数あり、標高差を活かした美しい紅葉が楽しめるのが特徴。夢見が丘展望台では紅葉ライトアップ(10/25〜11/24)も実施されます。
紅葉は昼と夜でまったく異なる表情を見せます。それぞれの魅力や楽しみ方、観覧環境の違いを比較して、自分に合った紅葉観賞スタイルを見つけましょう。
昼の紅葉は、自然光のもとで鮮やかな色彩を楽しめるのが魅力です。紅葉した葉が太陽の光に透けて輝き、写真映えする風景が広がります。視界が広く、周囲の山並みや建築物なども一体となって景観が楽しめる点も大きな特徴です。また、子ども連れや高齢者との観光にも向いており、活動時間帯としても無理がありません。
ただし、日中は観光客が集中しやすく、特に人気スポットでは混雑が激しくなる傾向があります。
夜の紅葉ライトアップは、照明の暖かい光を活用した演出が特徴。暗闇に包まれた中で紅葉が秋の夜空に浮かび上がり、一帯が幻想的な雰囲気に包まれます。庭園の池や川に映る紅葉のリフレクションや、スポットライトによるコントラストなど、昼間にはない美しさが味わえます。
さらに、人の流れが比較的落ち着きやすく、静けさの中で紅葉を楽しめるのも魅力です。カップルのデートや友人との夜のお出かけ、ロマンチックな雰囲気を楽しみたい方には特におすすめです。ただし、暗さによる視界の悪さや、気温の低下、防寒対策の必要性など、夜間特有の注意点もあります。
昼と夜では観覧可能な時間帯や混雑の傾向、アクセス手段にも違いがあります。昼間は公共交通機関の本数も多く移動がしやすい一方、人気スポットでは午前中から混雑が始まり、午後にはピークを迎えることも珍しくありません。
夜間はライトアップの点灯開始から終了時間までの間に観賞が限られるため、短時間に多くの来場者が集中しやすくなります。また、昼に入場したまま夜のライトアップまで楽しめる場所もあれば、日中とは別料金、別途入場のケースもあるので、注意が必要です。
ただし、平日の夜や閉園間際などを狙えば、比較的空いている時間帯に訪れることも可能です。帰りの電車やバスの時刻を事前に確認しておくことが、夜の紅葉観賞では特に重要です。
紅葉ライトアップは夜間の屋外イベントであるため、快適かつ安全に楽しむためには事前準備が欠かせません。持ち物や服装、交通手段、混雑対策などを確認しましょう。
紅葉ライトアップは11月から12月初旬にかけて行われるため、日中との寒暖差が激しくなります。防寒対策として、ダウンジャケットや手袋、マフラーなどを用意しておくと良いでしょう。また、足元が冷えることも多いため、厚手の靴下や防水性のある靴も準備すると安心です。
本格的に撮影を楽しみたい方は、三脚やレリーズ、明るいレンズを用意すると夜景撮影がスムーズになります。歩道が暗い場所もあるため、小型の懐中電灯も準備しておきましょう。バッテリーの消耗が早くなるので、予備の充電池も忘れずに。
紅葉ライトアップは夜間開催のため、往復の交通手段の確認が特に重要。まずは、目的地までの最寄り駅やバス停を調べ、現地までの所要時間を把握しておきましょう。また、帰りの最終列車やバスの時間も事前に確認しておきましょう。
ライトアップの終了時間は施設やスポットによって様々。受付終了時間はそれより30分ほど早いケースが多いです。予定を組む際には、観賞時間を逆算し、余裕を持ったスケジュールを心がけましょう。
紅葉ライトアップは期間限定の人気イベントなため、特に週末や祝日は混雑が激しくなる傾向があります。混雑を避けたい場合は、平日の夜間を狙うのが最も効果的です。また、点灯直後や閉門間際も比較的空いている時間帯となることが多く、落ち着いて観賞したい方におすすめです。
また、人気スポットは入場制限がかかる場合や、事前予約が必要なこともあるため、公式サイトなどで最新情報をチェックしておくと安心です。時間に余裕をもって行動することが、快適な紅葉観賞の鍵です。
夜の紅葉ライトアップは、光と影が織りなす幻想的な美しさを味わえる特別な体験です。事前の準備やリサーチをしっかり行い、服装や持ち物、移動手段を整えて、静かな秋の夜を心ゆくまで堪能しましょう。
各スポットのライトアップ期間や注意点などを確認のうえ、自分に合った観賞スタイルで思い出に残る一夜を演出してください。この記事で気になるスポットが見つかった方は、ぜひ公式情報をチェックし、今秋の計画に役立ててください。
▼ 旅っくすでは、関西の紅葉を楽しむ各地発の添乗員同行ツアーや、自由なJR新幹線+ホテルパックプランを多数販売中 ▼
タビックスナビ編集部
当サイトは、約60年にわたり国内・海外の旅行商品を企画・販売してきた旅っくす(T-LIFEホールディングス株式会社)が運営しています。 フリープランから添乗員同行ツアーまで幅広い旅行スタイルを取り扱い、豊富な販売実績と現地情報に基づいた記事をお届けしています。 旅行の専門知識と最新のトレンドを踏まえ、初めての旅行からリピーターの方まで安心してご利用いただける情報発信を心がけています。