夏の暑さが和らぎ、日中でも過ごしやすい気候となる秋。この季節ならではの魅力あふれるお祭りや花火大会、イベントが、全国各地で開催されます。地域ごとに受け継がれてきた歴史と文化が色濃く反映された催しは、地元の人々と参加者が一緒になって創り上げる一体感が最大の魅力です。
紅葉が美しく色づく中で行われる風情ある祭りや、夜空を彩る華麗な花火、澄んだ秋空のもと開催される航空祭など、多彩な催しが豊富で、熱気と迫力あるパフォーマンスを間近で見ることができます。
そこで今回は、日本全国で今秋開催されるおすすめのお祭り・花火大会・イベントをご紹介いたします!この季節だからこそ楽しめる特別な体験を求めて、各地の魅力的なイベントを巡ってみてはいかがでしょうか。
■ 【9月開催】おすすめのお祭り・花火大会・イベント
└おわら風の盆(富山県)
└岸和田だんじり祭(大阪府)
└酒田の花火(山形県)
└片貝まつり奉納大煙火(新潟県)
└三沢基地航空祭(青森県)
■ 【10月開催】おすすめのお祭り・花火大会・イベント
└時代祭(京都府)
└秋の高山祭(岐阜県)
└大曲の花火 -秋の章-(秋田県)
└やつしろ全国花火競技大会(熊本県)
└小松基地航空祭(石川県)
■ 【11月開催】おすすめのお祭り・花火大会・イベント
└唐津くんち(佐賀県)
└豊橋炎の祭典(愛知県)
└ハウステンボス 九州一大花火まつり(長崎県)
└土浦全国花火競技大会(茨城県)
└入間基地航空祭(埼玉県)
■ まとめ
立春から数えて210日目にあたる、毎年9月1日~3日の3日間で開催される「おわら風の盆」。富山市に秋の訪れを告げる風物詩となっています。三味線、胡弓、太鼓の音色に合わせて、編笠を目深にかぶった男女が哀愁漂う踊りを披露する、日本有数の美しい民謡行事として知られています。
約300年以上の伝統を継ぐ踊りは、儚げでいて深い哀愁を漂わせ、ぼんぼりに照らされた越中八尾の古い町並みは、まるで時が止まったかのような幻想的な光景を演出します。
派手な演出はないものの、その奥ゆかしさと美しさに心打たれる人も多く、毎年沢山の観光客が訪れます。町家に灯る行灯の光とともに、日本の原風景を感じられる風情ある祭りです。
大阪南部の岸和田市で開催され、約300年以上続く歴史と伝統を誇る「岸和田だんじり祭」。五穀豊穣祈願のために行われた稲荷祭が始まりとされています。
祭り最大の見どころは、重さ約4トンの“地車”(だんじり)を「そーりゃ、そーりゃ」という掛け声とともに大勢で引っ張って、猛スピードで角を曲がる“やりまわし”。前梃子や後梃子、大工方や綱元などをはじめとした曳き手全員の息が合わさることで、きれいに曲がることができます。
夜の灯入れ曳行では、昼間とは全く異なる雰囲気へと変貌します。地車全体が約200個の真っ赤に灯された提灯に包まれ、昼間とは違ってスピードもゆっくりになり、幻想的で幽玄な光景が広がります。
期間中は町全体が熱気に包まれ、参加者と観客が一体となって盛り上がります。法被姿の男性たちの雄叫びと、だんじりの軋む音が響く中で行われる、関西でも特に勇壮で豪快な、迫力と気迫に満ちたお祭りです。
山形県酒田市で開催される「酒田の花火」は、最上川河川敷を舞台に繰り広げられる、東北屈指の花火大会です。大迫力の二尺玉3発同時打ち上げや、全国の花火師によるコラボレーション花火、最上川の川幅を活かした約1.2kmにも及ぶ大空中ナイアガラなど見どころ満載!
例年8月に開催されていましたが、2025年・2026年は9月の第2土曜日に開催予定です。色とりどりの花火が夜空を彩り、水中花火と川面に映る光の競演は息を呑む美しさです。バラエティ豊かな花火が次々と打ち上げられ、観客を飽きさせません。
最上川という自然の大舞台と花火の組み合わせは、都市部ではなかなか味わえない感動を与えてくれます。秋の澄んだ空気の中で見る花火は、夏とは一味違った趣があっておすすめ!また、2025年は酒田市合併20周年記念の特別花火にも注目です。
地域の人々の願いや様々な思いを込めて浅原神社に奉納される「片貝まつり奉納大煙火」。その魅力はなんといっても、世界一と称される四尺玉花火!巨大な花火が夜空に開く瞬間はまさに圧巻の一言で、12日・13日両日の22時に打ち上げられます。
また、江戸時代後期からの長い歴史を誇り、明治24年に三尺玉を打ち上げたとされる記録が残っていることから、片貝町は“三尺玉発祥の地”としても知られています。
打ち上げ場所の裏手に広がる屏風状の小高い山に、花火の音が反射して豪快な破裂音が鳴り響くのも見どころの一つ。2日目の昼には、スターマインや連発花火などの昼花火も見ることができます。
青森県三沢市の航空自衛隊三沢基地で開催される「三沢基地航空祭」は、日米両国の航空機を間近で見ることができる、とても貴重なイベントです。ブルーインパルスの華麗なアクロバット飛行や、F-35戦闘機の迫力ある展示飛行など、航空ファンならずとも圧倒されます。
期間中は、普段立ち入ることのできない基地内を見学でき、パイロットや整備士との交流も楽しめます。格納庫での航空機展示では機体を間近で見ることができ、その精密さと美しさに感動します。
ほかにも、地元グルメの屋台も充実していて、音楽隊の演奏など様々な催しを楽しみながら一日中過ごせるため、ご家族連れにもおすすめのイベントです。日米文化が融合した独特の雰囲気が魅力で、秋空を駆けるジェット機の大迫力の轟音には心躍らされます。
明治28年(1895年)に平安神宮の創建と平安遷都1100年を記念して始まった「時代祭」は、葵祭、祇園祭と並ぶ“京都三大祭り”の一つに数えられます。当初は6列500名余りという規模でしたが、今では約2,000名が約2kmにわたって行脚する、圧倒的スケールで繰り広げられる秋の風物詩となりました。
比較的新しい祭りながら、千年を超える京都の歴史を再現する壮大な時代行列です。明治維新から延暦時代まで、8つの時代を象徴する大行列が一気に見れることから、まるで現代に蘇った動く絵巻物そのもの。
各時代の衣装や調度品、その時代を象徴する人物や職業に至るまで忠実に再現されていて、京都の長い歴史をまるっと体験できる壮大なお祭りです。
春と秋の年2回開催される高山祭のうち、櫻山八幡宮の例祭として行われる「秋の高山祭」。“飛騨の小京都”と呼ばれる美しい町並みを舞台に繰り広げられる、優雅な祭りです。豪華絢爛な屋台と呼ばれる山車(だし)と、巧妙な仕掛けのからくり人形などの伝統文化が魅力の祭りで、春の高山祭(山王祭)とあわせて“日本三大美祭”のひとつにも数えられています。
毎年10月9日・10日に開催され、精巧な彫刻と豪華な装飾が施された屋台が町を練り歩きます。なかでも、「からくり奉納」は屋台の上で繰り広げられる精巧な人形劇で、江戸時代の技術の粋を現代に伝える貴重な芸能です。
夜になると屋台に提灯が灯され、幻想的な雰囲気を醸し出す「宵祭」は、祭りのもう一つの魅力。ゆらゆらと揺らめく提灯の灯りに浮かび上がるその姿は、まさに幽玄の美そのもの。昼とはまったく異なる表情を見せる夜の祭りも必見です。活気あふれる昼のお祭りと、幻想的な雰囲気に惹き込まれる夜のお祭り、両方お楽しみください。
春・夏・秋と季節ごとに開催される「大曲の花火」ですが、夏の競技大会に比べて混雑が緩やかで、穴場的なのが「大曲の花火 -秋の章-」です。演出にこだわった企画性の高い「劇場型花火ショー」で、“魅せる花火”に特化した花火大会として、2015年より開催されています。
夏の競技大会に比べると規模こそ小さいですが、こだわり抜いた演出と、エンターテインメント性にたけた創造花火や、音楽との協演が美しく、夏の大会とはまた違った演出に魅了されます。
シンプルに花火を楽しみたい方向けの大会で、来場者数も比較的落ち着いているため、花火大会は見たいけど、人混みが少し苦手…。そんな方にもおすすめしたい花火大会です。
熊本県八代市で秋に開催される「やつしろ全国花火競技大会」は、球磨川の水面に映し出される大輪の花が見事な、九州最大規模の花火競技大会です。毎年約20万人もの来場者が訪れ、夜空で繰り広げられる約14,000発の花火ショーで人々を魅了します。
同じルールと同一の花火玉を使って競い合う競技大会は、秋田県の「大曲の花火」、茨城県の「土浦全国花火競技大会」を含め、全国で3つのみ。その中でも、唯一西日本で開催される大会で、全国から選りすぐりの花火師たちが集結し技術を競い合います。
38回目を迎える2025年度の大会は、八代市の新市誕生20周年の記念大会のため、オープニングはドローンショーやスペシャルスターマインで盛大に飾ってくれる予定とのこと。この機会にぜひチェックしてみてくださいね。
石川県小松市の航空自衛隊小松基地で開催される「小松基地航空祭」は、日本海側で最大級の航空イベントです。小松基地は、“アグレッサー”と呼ばれる飛行指導群を有する、日本で唯一の基地。F-15戦闘部隊と、アグレッサーで行われる飛行展示が見られるのは、全国でも小松基地だけです。
飛行教導群のF-15戦闘機は、1機ごとに異なる塗装(識別塗装)が施されており、カラフルで特徴的な機体が人気を集めています。その識別塗装は定期的に変更されることから、行くたびに違った塗装のアグレッサーに出会える可能性があり、ファンを惹きつけています。
飛行展示のほか、戦闘機や車両の地上展示、警備犬によるデモンストレーションなど、多彩な催しも予定されていて、一日中楽しめる内容になっています。また、2025年4月から新たに配備されたばかりの最新鋭ステルス戦闘機「F-35A」の飛行展示も期待されており、今後の情報アップデートにも注目です。
佐賀県の唐津市中心部で行われる「唐津くんち」は、約400年以上の伝統を誇る、佐賀の秋の風物詩。唐津神社の秋季例大祭で、2日の“宵曳山(よいやま)”、3日の“御旅所神幸(おたびしょしんこう)”、4日の“翌日祭”の3部構成で行われます。
「エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」のかけ声とともに、豪華絢爛で煌びやかな曳山(やま)が町を駆け抜ける様子は圧巻!国の重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。それぞれ獅子や鯛、兜など様々な形をした曳山は、和紙や漆、金箔などで仕上げられ、世界最大級の乾漆造(かんしつづくり)の工芸品としても広く知られています。
江戸時代から続く伝統の技術と、地域の人々の熱い思いが込められた曳山は、まさに動く文化財。参加者と観客が一体となって盛り上がる様子に心打たれます。
愛知県豊橋市で行われる花火イベント「豊橋炎の祭典」は、古くから東三河地域に伝わる手筒花火を中心に、大筒、綱火、仕掛花火、打上花火など、多彩な花火が楽しめるイベントです。
火薬を詰めた竹筒を抱えながら火の粉を浴びるその姿は迫力満点!夜空に向かって豪快に吹き出す火柱と、降り注ぐ火の粉は、どこか懐かしささえも感じる優しい灯りであたりを包み込みます。
20本余りの手筒花火の一斉放揚が見られる本大会は全国的にも珍しく、花火師たちの勇壮な姿に圧倒されます。間近で見る手筒花火の迫力は、一度見ると忘れられない思い出になるでしょう。
長崎県佐世保市のハウステンボスで行われる九州随一の規模を誇る花火大会「ハウステンボス 九州一大花火まつり」。ヨーロッパの美しい街並みを背景に繰り広げられる豪華で華麗な花火ショーは、一見の価値あり!花火と音楽、光が融合したテーマパークならではの演出は圧巻です。
園内の様々な場所から花火を楽しめるため、それぞれ異なる角度から花火の美しさを堪能できるのも魅力です。異国情緒あふれる街並みと、約22,000発の色鮮やかな花火が楽しめるのは全国でもここだけ。
世界最高峰の有名花火師たちの技術と思いが込められた「一尺玉競演会」や、「花火×噴水ショー」が楽しめるエリアも魅力。なかでも、最大の見どころはクライマックスを飾る圧巻の大スターマイン!なんと約5分間で5,000発もの大型スターマインが打ち上がります。最後まで鳥肌が止まらない感動の演出に酔いしれてみてはいかがでしょうか。
毎年11月上旬に茨城県土浦市で開催される、日本三大花火大会の一つ「土浦全国花火競技大会」。大曲の花火、やつしろ全国花火競技大会に並んで、日本で3つしかない競技大会にも数えられます。
大正14年から続く伝統と格式の高い技術大会として知られ、全国から選りすぐりの花火師が集結し、多彩な技術を競い合います。数百発の花火が連続して打ち上る「スターマインの部」、開いた時の配列や発色で競い合う「10号玉の部」、花火師たちの新しいアイディアと技術を披露する「創造花火の部」の3部門で競い合います。
約2万発、約2時間半にもおよぶ壮大なスケールで繰り広げられる花火エンターテインメントは必見です!第94回目となる今大会は、土浦の花火100周年記念大会でもあります。2024年度は台風接近に伴い中止となったため、約2年ぶりの開催です。
埼玉県入間市と狭山市にまたがる航空自衛隊入間基地で開催される「入間基地航空祭」は、都心からのアクセスが良く、基地に隣接する駅から徒歩ですぐの立地が魅力。毎年11月3日の文化の日に開催されます。
昨年に引き続き、ブルーインパルスの展示飛行も予定されており、大空を舞台に繰り広げられる迫力満点のアクロバット飛行は必見!青と白を基調とした機体が青空に映え、空のキャンバスにスモークで描かれるハートマークが印象的です。
入間基地所属のC-2輸送機をはじめ、入間基地でしか見ることのできない貴重な機体も多数登場予定です。池袋駅から電車で約50分ほどなので、日帰りで気軽に楽しめるのもおすすめポイントです。
伝統的な祭りから現代的なイベントまで、多彩な文化に触れることができる秋。おわら風の盆や時代祭のような優雅で歴史情緒あふれる祭りでは、日本の美意識と伝統文化の深さを。岸和田だんじり祭や唐津くんちのような、熱気と迫力ある勇壮な祭りでは、地域の人々の熱い想いと結束力を感じることができます。
また、各地で開催される花火大会では、それぞれ異なる特色を持ち、日本の花火技術の高さと美しさを堪能でき、各地の航空祭では、最新技術の粋を集めた航空機のパフォーマンスを通じて、航空自衛隊の技術力と空を守る人々の誇りを感じることができます。
これらのお祭りやイベントは、日本の文化、技術、そして人々の心を深く理解する貴重な機会です。秋の美しい自然と美味しいグルメを楽しみながら、日本各地の魅力的なイベントを体験してみてはいかがでしょうか?
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タビックスナビ編集部